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 「お盆、ご先祖様のご供養からの気付き」 
 
 今年は台風や線状降水帯の影響からお盆を思い通りに過ごせなかった方も多いことでしょう。ちなみに線状降水帯が定義されたのは15年前。温暖化の影響は時間をかけてゆっくりと姿を現しており、あらゆる結果も急に顔を現すものではないことに気付かされます。しかし私たちはいつも相手もしくは自分のどこか一点に問題があるのだと限定しがちです。あの時、あの場所、あの言葉…。あなたが一回の食事で今を生きてはいないように、いま起こる結果もたった一回の何かだけでできてはいません。昨日の食事が今日を生きる糧となっているように、私を生かす全てに感謝し前を向いて参りましょう。

 さて今月はとても良い学びになると思ったメールを紹介したいと思います。
アメリカ人の弟子と彼の妻との会話です(本人の許可も得ています)。

 昨日の夕方、妻と素晴らしい会話をしました。私が彼女の家族のために行ったセレモニー(先祖供養)で、彼女は先祖からの無限の努力の結果生まれたこの人生を、個人的な欲望の追求のために生きることは恥であるという啓示を受けました。彼女は、自分自身と他の存在のために、日々の簡単な修行を始めたいと言っている! 私は妻と話し、彼女は次のように述べた。
彼女は人生の大半の間、仏教は小さな世界であり、純粋に亡くなった直系の親族を崇拝するためのものだと感じていたと。
彼女は、私の説明と彼女の研究から、「仏教とは何か」という壮大なスケールを理解し始めたと言った。また彼女はこの2年間に多くの家族が亡くなった。
思うとそれまで彼女は本当の苦しみを感じたことはなかったと。そして最近は普遍的な概念としての「苦しみとは何か」をより自覚してきたようだ。

 私が先祖供養の儀式を行う前日、彼女の甥が生まれました。生まれたばかりの彼の目に純粋さを見て、彼女は今世の欲望ははかないものだと感じました。
今世での教訓や修養は、すべての生きとし生けるもののためになり、生き続けます。先祖たちが自らを成長させるために努力したおかげで、彼女は生まれ、学びを続け、自らを成長させ、そして彼女は甥のような次の世代を助けるチャンスを得ています。
それだけではなく、彼女は何百万もの先祖がいることで、すべての生きとし生けるものが皆つながっており、また(あの世、過去世や来世にて魂らは、)仏教の修行によって互いに恩恵を与え合っていることを悟った。

 彼女はこの2つの経験から、何故あなた(泰教)や私がこれほどまでに仏教に熱中するのかを理解することができたと言いました。そして彼女は、相互のつながりと(インドラの網)について考えるとき、世界はとても大きく、自由であると感じると言いました。
彼女は、自分の補足説明が、修行者たちに対するあなたの説明の助けになることを願っていました。

はい。あなたの言葉と気付きが、実際に多くの方の助けになっています。出合い、目の前のことに対し、素直に、前向きに、明るく向き合えることは、多くの気付きと共に、各々を次のステージへと導きます。

 多くの人が悩み、問題を解決できないという。その原因は自分の目の前の課題やありのままの現実から目を背けることから始まってはいないでしょうか。また結局は自分の欲望の追求の延長線上にしか生きていないことが原因です。嫌なものから目を背けていれば楽です。しかしあなたが積んだ業(ごう/カルマ)は、あなたの内側で強い磁石のようにして善悪の縁と結果を引きつけます。

 先祖や神様がたは過去の経験や仏教の尊い教えから時に私たちに啓示を与えてくれます。それは難しい理論ではなく、実際に生きてきた苦楽の体験の中から伝えてくれます。安易な墓終いは、生死を越えた気付きを放棄することと一緒。自分もあの世から、いつしか大切な子や孫に気付きを与えられるくらいに、手を合わせ、学び、ご供養をして欲しいものです。

令和五年八月二十一日


《9月お祈り、ご修行の案内》
2日(土)「大黒天」23時より。一時千座秘法。
3日(日)「滝修行」朝5時お寺出発
     「水子供養・護摩」10時~
8日(金)「弁財天 護摩」20時
18日(祝日)「仁王経法会」於赤磐市普門院 別紙参照
21日(水)「大師御縁日 護摩」10時~、20時~

※10月22日(日) ~28日(土)「前修行」朝5時~
28日(土)「大祈祷会」18時~ 御加持を受けられます
29日(日)「入佛記念法要」9時半~14時
「柴燈大護摩供」「火渡り修行」
 今年もこの修行期間中だけの子供行者、若干名の成人修行者をお受けいたします。また別紙、ホームページなどでご確認ください。


   
   令和5年8月21日 南無大師遍照金剛ありがとうございます。     


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