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「Away,Away! 祖先の物語をけして忘れず語り伝えてゆこう」 | ||
「Away,Away! 祖先の物語をけして忘れず語り伝えてゆこう」 端午の節句(こどもの日)、鯉のぼり、菖蒲湯に柏に茅巻。 皐月は古式ゆかしい暮らしを感じられる暦月です。昔のお皿はかしわの葉を使っていたとか、厄除け魔除けの霊験ありし菖蒲の葉は香りがあり、根っこも生薬になるのだとか。皆さま、ご自宅で何か実際に行われましたか?経験にまさるものはございませんね。 日々の自分を振り返り、手元の情報、携帯の娯楽ばかりに気を取られ生きていないでしょうか。 便利な物も人生の迷いとならぬよう、耳や鼻、また肌感覚、五官(五感)をしっかり働かせ、リアリティのある世界を体感し生きることが現代、未来のテーマとなるでしょう。 水無月には夏越の祓、文月は七夕。古式行事を大切に過ごすことによって携帯電話の無い世界、祖先が感じてきた大切なことにも触れることができます。 さて表題の漢字、人は会う、ものごとは合うと一般的に説明されますが、実はもう少し意味がある。 これは京都三千院の小堀光實門主より教えていただいたのですが、 「会」は顔を合わせ互いに相手を認識して対面すること。 「合」の文字は相手のことを尊く思い続けることで自分の思いや気持ちが通じる機会(チャンス)の意味を含んでいて、しかも過去現在未来に通じるものだと。 そうすると掌を合わす「合掌」もこのような意味と分かる。手を合わせる瞬間というのは、心の慈悲が極まり、自分と佛とあらゆる存在に心を寄せることとなり、ただこの一瞬も尊び、及び過去から未来まで続く広大永遠の祈りを行うことだと。 対して現代人は広大永遠という感覚に疎くなっていると思う。意地悪なことを言うと「今をよく生きること」に囚われている。今だけ、自分だけ、という病になっている。 日常に起こる問題をよくよく振り返ってください。殆ど、否必ず自己完結している時に問題は起きている。 先日、MBA(経営学修士)の講義を二コマ担当し、興味深い統計が得られました。 自分らしさについての議論中、「自分らしさを発揮している時、周囲にはどのような影響が出ているか」という問を立てると、多くが家族や伴侶、周囲に迷惑をかけている状態だと回答された。 幸いなことに受講生の家庭は円満のようでありましたが、これは「与える」という哲学、「小欲を大欲に転換しよう」という密教の教え、アイディアの学びにおける設問。自利利他の一致を考えた経営とは何か、生き方とはどういった状態か。本質を見極めるには先ず何から注視する必要があるのか。 要請もとの教授からは心を耕す経営について講義してくださいとテーマをいただいたが、現代人の多くが自分の心の畑を耕すことなく、見栄えが良いだけ(自分にとって都合の良いだけの)種を撒いているのかもしれない。いまはそうすることしかできない人は除いて、ただ目の前のニンジンに囚われた馬のように生きてはいけない。 仏教はまず、己の業に囚われない寂静(自由に生きる)を目指しなさいと教えます。 そして「中道」の教え、「(般若)空の智慧」がきちんと得られていれば「(宗教に)ハマる」といった言葉からほど遠い所にある。 多くの人は自分の煩悩にハマっていることに気付きもしなければ、自分さえ良ければよいと思っている。これを小欲に生きていると言うのです。自己中心主義と安易な自己完結が世に不幸を招いている。 ではどうすれば良いのか。 「先祖供養」、「家系図を書くこと」です。 天皇陛下は即位される時、先祖と語り向き合う儀式を行われます。 ハワイのフラ(踊り)も上級者になれば必ず先祖の物語を話すこと、家系図を辿ることを求められると聞きます。それを得て見える世界が変わり、踊りも祖先の物語が乗り移ったものへと成長する。 分かりませんか? 私たちは歴史の中に生きています。大きな空間(宇宙、虚空)の中、時間の流れのなかに生きています。 先祖を語ること、先祖を供養することは、今だけ、自分だけ主義を乗り越え、真実、等身大の生命に近づけます。日本人の先祖を大切にするという習慣は非常に大切なことです。 墓、親、先祖を蔑ろにしてはいけません。 祖先を敬えば、子孫があなたを敬える人間となる。 これがどういう意味か。この道理に気付くことです。 写真は瓶ヶ森のご来迎。気温は2度、朝5時の太陽です。 自然界の働きによって生命が生かされているならば森羅万象は我が親、我が先祖です。 先祖供養で偉大な力を得る。 これは仏教の悟りの本質では無いが、とてもとても大事なことなのです。祖先を語れる人となれ。 令和六年五月二十一日 「修行(お祈り)」 25、26日(土日)「極楽寺/石鎚山/瓶ヶ森修行」 27日(月)「荒神供」20時 6月2日(日)「滝修行」朝5時 お寺出発 「水子供養/地蔵護摩」10時 3日(月)「毘沙門天」朝6時 16日(日)「放生会」9時半から 21日(金)「大師御縁日 護摩」10時 20時 |
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令和6年5月21日 南無大師遍照金剛ありがとうございます。 |