過去の法話へ
 毎日私の大切なことを忘れず生きましょう
  「毎日私の大切なことを忘れず生きましょう」

 米大リーグで活躍する大谷翔平選手が、全米野球記者協会の会員30人による投票の結果、満場一致で今期の最優秀選手に選ばれました。
日本では2年連続最下位だったヤクルト・スワローズとオリックス・バファローズが今、日本一を決めようと試合を進めている。フィギュアや水泳、ゴルフ、フェンシング、器械体操、日々様々な競技で活躍する選手のニュースが飛び交う。大相撲11月場所の取り組みも37才のベテラン玉鷲がいま光っているそうです。

 ベテランというと絶対王者と冠された器械体操の内村航平選手。31才でまだあのような鉄棒の演技が出来るなんて凄いことです。私も同じような年齢の時、何の準備もなくフェンシング広島県国体予選に出場。結果は4位。ただこれまで体験したことのない体、呼吸のしんどさに襲われたのを覚えています。
いかに日々精進することが大切かを身を以て知りました。内村選手はずっと練習を怠りません。そして今はただ優勝という結果だけを狙っているのではなく器械体操そのものを極めようとしている姿勢が見えます。自分に打ち勝ち、美しい体操を表現する。
これを日常や人生に置き換えて私も見習いたい。
ただ詳しくは知らないのですが、これだけ自分の努力を積み重ねてきたアスリートですから、完全に自分の練習量だけを信じている。あまり神仏のことは信じていないようなことを言われていたので、自然界や先祖、神仏の恩恵にもそっと手を合わせていただけたらなとちょっと思ったりしています。

 さて、やると決めたのに翌日にはその意欲が失せる、心が折れる・・・、そういう経験が皆さまにもあると思います。内村選手はモチベーションを保つにはどうしたら良いかという質問に対し、
「どの競技をやっている人たちでも、自分が好きで始めたことだと思うので、自分の恋人以上に競技のことを好きでいることがモチべーションを保つことに一番大事。もっともっと好きになって欲しい」と、好きという言葉で説明されていた。

 本当は自分が好きなこと、でやっていたはずなのに、いつの間にか自分の好きなものでは無くなっている。これはスポーツでも、お稽古事でも、ボランティアでも、医療現場でも、仕事でも、家庭でも、色んな場面で同じようなことが起きる。

 先日のラジオ番組に、去年の天皇杯でベスト6まで勝ち上がった福山FCの代表、岡本佳大さんをお招きした時に、
「夢が叶わないのは、皆自分の夢をいつの間にか忘れてしまうから叶わないんだ。大事なのは自分の夢、目標をただ毎日忘れないことなんだ」と語られていた。実に私もそのように思います。

 好きとか、嫌いとか、それを簡単に口にしたり、気持ちが揺らいでしまうのは、そもそも自分が口にした言葉の動機が明確ではなかったり、自分の核心にそもそも向き合い切れていなかったりと根本原因があることもあるが、「夢や目標」、「忘れない、忘れたくないもの」を日々確認しながら生きることは誰にとっても大切だと思います。

 そしてすべての出来事に対してプラスの価値を持って受け止められること、感じられることの大切さを大谷翔平選手は会見で語られていた。
詳しくは「帰国後の会見全文」を検索いただきたいが、どのようにメンタルを整えているのか、愚痴など吐きますか?という質問に対し、
「もちろん落ち込んだりするし、精神的にきつい場面も後半多かった。(そして打者と投手であることは)打てない、打たれたとか、(必然として付いてくるものなので、一つ一つのことに)落ち込んだりすることがあるのだけれど、毎日毎日試合がある中で(私は)、今日よかったな、ここが悪かったなというのが(思い、発見が)出てくるのは、すごく幸せなことではないかなと思っているので、(そして)普通の生活では味わえないような経験をさせてもらっていること自体、すごくうれしいことと思ってますし、試合に出るからこそ、そういうの(体験)があるからであって、ケガしている時とか、試合に出られない時もあったので、(結局)落ち込むことも含めて、いい一年だったなと個人的には思っています。」と返答されていた。

 仏教の極位は、生きている世界をどのように捉えるか。自分の目や心に映る世界をいかに真実の眼で見るかという所にある。いらぬを手放し、大切なことから目を離さず、好き嫌いの取捨選択も愚かなことと気付き、お過ごしいただきたい。難しいと思わないでください。

最後にヤクルトスワローズ、高津監督の言葉で締めたい。
「絶対に大丈夫」

仏さまと一緒ならば絶対大丈夫。

喜びの多い年末をお過ごしください。


           令和三年十一月二十一日


《十二月 行事・ご修行案内》
4日(土)「三宝荒神さま」20時
5日(日)「水子供養・地蔵護摩」10時30分~
8日(水)「宥善大和尚 三回忌法要」19時
19日(日)「仏名会」10時 一年間の懺悔 (三百礼拝)
      「しめ縄作り」13時
21日(火)「お大師さま御縁日」20時より
    お写経の奉納・先祖供養・祈願成就
31日「大晦日/納めの水行」23時半より

令和四年
元旦「鳴釜神事/神祇法楽」0時より
   「初参り祈祷」9時30分~15時まで
※30分毎に心経太鼓・金幣加持の祈祷をします。
ご家族、友人とよい時間にお大師様にお詣り下さい。

9日(日)「箕島四国八十八ヶ所参り」8時~

   令和3年11月21日 南無大師遍照金剛ありがとうございます。     


トップページへ

戻る