過去の法話へ
 「母のお腹。三回の生まれ変わりを経て。」
 
 八大龍王をお寺に勧請して壱百年を迎え、
 先日の大祭では樽酒の鏡割りを行いお供えをしました。


 こんなお話を聞きました。

 遠方からお参りされた方が御祈祷済みのお水を持ち帰り、二年生の孫に、
 「このお水やお供え物はとても有難いものなのよ。
 だから一緒にいただきましょうね」と渡したところ、

 「おばあちゃん。このお水やお供えものには人の姿をした龍神さまがいらっしゃるよ。
 仏さまも。とってもすごいよ」と口にします。

そして写真を見せると、
 「ここには筋肉ムキムキの真っ赤な強い仏さまがいるよ。弓を持っている。
 他にも剣を持ったり、すっごく強い仏さまがいっぱいいるよ」と、

どうやらこの子には住職が拝んでいる
愛染明王さま、不動明王さまたちが見えているようです。

見えない方には柴燈護摩もただの大きな火を燃やして拝むお祭りに見えるかもしれませんが、迷いの多い私たちを仏さまがどうにかして助けようと働いて下さっているのが分かるようです。皆さん、仏さまは本当にいらっしゃいますよ。

 この男の子の逸話には他にこんなものがあります。
「お母さん。僕ね、お母さんに会うの3回目なんだよ。やっとね会えたんだよ。」

 実はお母さんは一回流産を経験し、二度目には安定期の六ヶ月で死産。母のショックは大きく、それから長く授かりませんでした。しかしある時に山の中にある小さなお寺なのですが、子授けの御利益がある観音さまの御前でご老僧にご祈祷をして頂いたところ、すぐに授かったそうです。

後になって御礼参りをして分かることになるのですが、このお寺のお孫さんもこの男の子と同じ日に生まれており、この子達が本当に仏さまの授かり子であると感じられたそうです。

二年生といえば八才になりますが、この子はもっと長い時間をお母さんと一緒に過ごしているのでしょう。そして仏さまの教えや御力を頂いて生まれて来ている。だから世のひと様の為に働く使命をもっていることでしょう。

 皆さんも同様です。間違い無くご先祖さまの御恩を受けて生まれていますし、神さまや仏さまに御力をいただいている方も多いことでしょう。大切なのは、それを忘れぬ事です。

 あなたの命はどこから来ていて、今のあなたがあるのでしょうか。
自分を知れば、私が今どうあるべきか、何をするべきかが、自ずと見えてくるものです。




 病気平癒の御祈祷を頼まれ、私は一人静かにお祈りをしていました。時間にして80分。
この方は不安が多く、なかなか自分を大切にできません。

そうすると仏様からこのように教えられます。

この病者の因縁は、この者の先祖は少し地位のある侍であったが主君を護る為に仕方なく下の者たちを捨て駒として見殺しにしてしまった。その故にそれを悔いて、我が身を大切にできないのである。この先祖にあって子孫に起こる由縁である。よってその悔いが報われるように犧牲になった者に(仏の)光明が照らされるよう供養するべきであると。

さもありなん。私は病者の先祖さまをイメージし、その関わる諸霊に対してお祈りをしました。もしかするとその方々もすでに生まれ変わっているかもしれませんが、しかしかそれは関係のないこと。その方々の今の命に向かっても同時に、ただ幸いを祈ることが重要です。仏の智慧の輝きは暗闇を照らします。智慧と救いは気付きの上に起こるものです。

 もう一つ重要なことがあります。この病者の方は先祖の行いによって現状があるわけですが、因縁の法則からすれば必ずそれだけでは無いとたやすく理解ができるでしょう。結果というのは多く、複合的な原因から成り立ちます。
また先祖の行い(業)と、子孫の業(過去世の行為)は大同小異。病者も似たような過去世の行いがあると考えられます。よって先祖が悪いから…というのは先祖様に誠に失礼な物言いであり、あなたも先祖様と同じような行為を過去世にしているのです。
よって先祖の行為を浄めることは自身の魂を浄める行為に他ならぬわけです。

身近な実践としては、写経がおすすめです。



 さて男の子の伯母はこんな質問をしたそうです。
「神さまに好かれるにはどうしたらいいの?」

「そんなの簡単だよ。起きたらね、おはようって言うんだよ」。
伯母は供え物や、拝み方を期待したのに拍子抜けでしたが、
そうですよね、
私たちは本当にいるのかなといつも疑って神さま仏さまを見ている。



   日切大師弘元寺 平成三十年十一月廿一日

《 お祈り・行事案内》
27日「大黒天」  23時
12月2 日「水子さまと先祖供養・護摩」 10時 至心供養
3日「毘沙門天」 朝5時半  願望成就・智恵・繁栄
3日「弁才天護摩」  20時  富貴自在
4日「三宝荒神」 20時  障難退散
21日「大師縁日の護摩」 20時 写経奉納・月参り日

大晦日「年越祓の水行」 23時 一年の行いの総決算
平成三十一年(己亥 八白土星)
元旦「鳴動護摩(鳴釜神事)」 0時~2時


   平成30年11月21日 南無大師遍照金剛ありがとうございます。     


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